インタビュー

スケジューリングで“在りたい人生”を描く!浅野夏悠インタビュー

浅野夏悠プロフィール

浅野夏悠さん写真浅野夏悠(あさのなゆ)
(社)日本スケジューリング協会代表理事タイムマネジメント手帳術プロデュース講師高校では宝塚演劇科卒業。大学では児童心理学を専攻し、大手通信事業会社へ入社。企画営業職を経験。育児の中趣味で始めたテニスにハマり、日本マスターズ女子シングルス3位、県大会優勝など多数の実績を残す。同時にテニスコーチとしても、15年のキャリアを持つ。

インタビュアー青石ぽろみも愛用する、浅野夏悠さん開発のFORCE手帳。

めまぐるしく変わる環境にありながら『自分の在りたい人生のためにするスケジューリング』とは?浅野夏悠さんにインタビューしました。

スケジューリングとは、自分の中に北極星を持つこと

(浅野)私がぽろちゃんと会った2年前は、まだ私が全国を飛び回っていて『タイムマネジメント手帳術』を教えていた頃だったよね。

私が一番世の中に伝えたかったことって、実はタイムマネジメントではなくて、スケジューリングなんだよね。

(ぽろみ)―タイムマネジメントとスケジューリングは違うものなんですか?

スケジューリングの中の一つに、タイムマネジメント(時間管理)があるという考え方だね。

まだまだ社会におけるスケジューリングの概念って「目標に向かって立てなければいけないもの」というイメージがあると思う。だからスケジューリングが苦手という人もいるし、予定に縛られるのが嫌だという意見も聞くんだ。

でも私は、スケジューリングって「自分の人生の未来設計図、生きていくための工程表」だと思っているの。

ー工程表!

スケジューリングって本当は、自分に「どう生きたい?どう在りたい?」とその都度確認して、何度でもリスケ(※リスケジューリング)していいものだと思っているんだよね。

今自分が一番求めている未来を、自分で考えて描くものだと思っている。

とはいえ、私たちは人と共存して生きているから、リスケしなければいけないことも出てくるじゃない?例えばパートナーが出来る、子どもが産まれる、介護がある…といった環境の変化。

でもそこで、誰かに引っ張られるスケジューリングではなく“自分の在り方や生き方に目を向けるスケジューリング”が出来ていれば、自分の人生をデザインできる。

今、コロナのこともあって環境とか社会って、先が見えない。

けれどそんな中で、自分の中に北極星を持っている人が、スケジューリングが出来ている人だと思うんだよね。

浅野さん写真

ーコロナも含め、情報に流されてしまう事も多いですよね。

環境や情報に合わせて、しなやかに変化することは大事。

だけど、毎回毎回揺られっぱなしというのは、きっと疲れるし辛いと思う。コロナだけでなく、周りの仕事仲間や家族に左右される事もそう。

講座でも「釣り竿で例えると、重りの側に行くんじゃなくて、釣り竿を持っている方の自分で居よう。」と伝えてる。だから、自分の時間は自分で握って、ハンドリングすることが大切だと思う。

「こういう風に生きる。これは譲れない」ということの洗い出しをスケジューリングタイムですれば、本当にやりたいことを、どう叶えるかの道筋が経つんじゃないかな。

私はそれを手帳とスケジューリングで“ナビゲート”しているんだ。人それぞれ、行きたい未来が違っていい。

ー中には、全くやりたいことがないという人もいますよね?

それは、実は人には逆算思考と積み上げ思考、二つの思考法があるんだよね。

積み上げ思考の人達は、目の前にあることをしっかりやるから、ちゃんと結果を出していける人達。ただ、積み上げ思考の人は、セカンドキャリアを考えるのが苦手な事も多い。

これは良い悪いで考えないでほしいのだけど、例えば、目の前のことを一生懸命やるあまり、積み木のひとつがちょっとずれてしまった。振り返ったら、思ってもみないところに来ていた。

というのが積み上げ型の人にはありがちかな。目の前のことをしっかりやる力がある人たちが、スケジューリングや逆算思考を取り入れたら、ハイブリッドでベストだと思っている。

3年後が見えません、どう生きたいか分かりません。という人ほど、スケジューリングを学んでほしいなと思っているよ。

―浅野さんは、これまでどのように人生を描いてきたんですか。

高校は演劇科…なんだけど、これは母が勝手に申し込んだので。笑

その辺は自分で決めた人生ではなく“振られた人生”だったかな。長女なので、期待に応えたい!というのも強かったし。

でも演劇の舞台に立つことが、私の人生のゴールでは無かったからね。

大学では学校の先生になりたくて、教育学部に進んで児童心理学を学んだ。

当時はまだ若かったから「私が子どもたちを変えるんだ!」という気持ちも持っていたけど、学校に行けていない子ども一人を学校に送り出すことがどれだけ大変なことか。

人間の思考や脳科学心理学に触れれば触れるほど、私では何も役に立てないという気持ちが強くなっていった。

それで、社会をもっと経験しようと思った。KDDIの企画営業部に入社して、実はそこでスケジューリングを知るんだよね。

それまでも手帳を使うのは好きだったけど“忘れないように”予定をメモしているだけ。

激変したのは、会社に入って“忘れるため”に手帳に書くようになってからなんだよね。

企画の仕事をやっていると、目の前の仕事と一年後の仕事を、同時進行するから頭がパンパンになる。

Aのプロジェクトの打ち合わせした後「Bの提案書はまだか」って言われるわけだよね。それでBの提案書を書きながら、Aのミーティングの内容を考えていると…集中できへんやん!笑

実際に、頭がパンパンになってよくミスをしていたし、残業もすごくしていた。

そしたら、会社の先輩がフランクリン手帳を使っていて、すごくたくさん書いているのね。

「先輩忙しいのに、よく手帳に書く時間ありますよね~」と私が言ったら「“忘れるため”に書くんだよ!書いたら忘れられるやん!アウトプットのために手帳を書いているんだよ」と聞いて。

あ!そうなんだ、と。私は忘れないために、手帳に大事なことだけ書いていたから衝撃だったんだよね。

仕事の中で今私が大事だと思っていることと、後から大事だった!と気が付くことってあるじゃない?

思ったことをどんどん手帳にアウトプットするようにしてから、手帳の概念が変わった。そうすると3年前に書いた、ふとしたことがすごく重要になってきたりするの。

―それ、すごくわかります。

そういう些細なことって、書いていなければ忘れ去られてしまうんだよね。

だから手帳には○○さんの髪型が素敵!とか、アンテナの立ったことを全部書く。

そういう風に、ネタ帳がくっついたような手帳の書き方をするようになって、人間関係も良いものになっていったよ。

例えば、ぽろちゃんと前会ったときに話したことを書いておくと、次会ったときにその話が出来るじゃない?

これって“相手を知っている”ということ。相手への愛情だと思っているから。

自分に愛情を向けられているか?考えてみてほしい。

人は、人から無関心でいられるっていうのは、一番きついじゃない。愛情の反対は無関心なんだよね。

人にもそうだけど、それは“私が私に対して”はどうかな?

ー!

例えばさ自分で、今日の夜は絶対マッサージする!とかアロマをやる!って決めるとするじゃない?

だけど「仕事が忙しいから出来ませんでした。」となると、自分をないがしろにしていると思わない?

私はそういう風に、自分をないがしろにしたことが積み重なった結果、自己肯定感が下がると思っているんだよね。

だって、自分より仕事が優先。「自分が第一優先じゃないです」ってことでしょ?

それは自分だって拗ねるよね。他人ばかり優先して、自分の人生をないがしろすると決めたのは、自分。

そういうスケジューリングのあり方は、問題点が多いと思っている。

自分の考えていることや、直感、気持ちみたいなものを大事にしてあげるのって、やっぱり自分を一番に大切にしていることだと思う。それが自分を愛することに繋がると、私は思っているので。

私は私を大切にしたいから、自分が決めたスケジューリングをやりたいの。人との予定だけで埋まっているスケジューリングじゃなくて、自分で自分のご機嫌をとれるのが良いと思っている。

人に「こんにちは、今日はどうですか?♪」って伺うのと同じように、朝起きて自分に対して「私、今日ご機嫌どお?」って聞いてみて欲しい。

お仕事する人は特に、仕事のタスクを出してプランを立てる人はたくさんいる。

でもむしろ、自分を癒しましたか?緊急ではないけれど、自分を喜ばせることを、ひと月の間にどれくらいできましたか?って考えてみてほしい。

ぽろちゃんは今、自分のためにやっていることはある?

―今は絵の作品を描いていますね。

そうしたら、一か月通して、どれくらいそれを出来たのか振り返ってみてほしい。出来たら◎ちょっとなぁと思ったら△とか。

振り返ることで「前後のスケジューリングは良かったのかな?」とリスケすることが出来る。

自分のご機嫌をとるためにスケジューリングすると、周りに振り回されることが無くなるよ。それは、お風呂に長く入るとかでもいいんだよね。

やはり、そういう時間が無いと、ギスギスしてくるから。なんか旦那さんにめっちゃ辛口になってきたな、とかあるじゃない。

―ある。あります。笑

子どもとか旦那さんに「ダラダラせんといてぇー!!」とか言ってね。笑

疲れてきたときって、人の嫌なところが目につきやすくなるけれど、だいたい自分の鏡なんだよね。

思うように仕事が進んでない時なんか、相手に自分を投影して、糾弾しやすいよ。でも自分の持ち上げ方を分かると、魅力的な人になれるよね。

優しい世界を作るため、手帳術を伝え始めた。

浅野さん写真

実は私『スケジュールコンディショニング』という言葉を、商標登録しているんだ。

私がテニスをしていた時、コーチに「自分で自分のコンディショニングしておいてね」ってよく言われていたのね。

アスリートは、自分のコンディションを整えるのが必要不可欠。

毎日のコンディションを整えるからこそ、試合で結果を出せる。試合当日だけうまくやるというのは、アスリートですら無理なんだよね。

テニスのプレイヤーズ時代は、ずっと全国大会を目指してたけれど、その中で、子どもとケンカすることもあれば家事もある。同時にテニスコーチのアルバイトもしていたから、生徒さんに教えることで悩むこともあった。

だから私は手帳を使って、自分をコンディション出来るようにしていたんだ。

自分をいい状態にすると、もっとみんな優しく生きていけるんじゃないかな?私は手帳というツールを通して、優しい世界を作りたいんだよね。

テニスをしていた時代は、楽しかったから続けていて。負けても下手でもなんの関係もなくて、楽しいから試合に出る、ゲームするの繰り返し。

その中で何度もやるから、失敗を経験して、振り返ると成功法もわかってきて。10年後気が付いたら、テニスで全国ベスト3になっていた。

私、テニスをやっていて楽しかったから、負けても笑いながら帰っていくの。「ま、次がんばりまーす!」って。笑

そういう姿を見て周りから「何故そんなに、いつもエネルギーがあるの?メンタルの強さの秘訣は?」と聞かれるようになってきたんだ。

だから、テニスコーチとしての後半はテニスも教えるけど、負けた時にどう考えるかとか、優勝した次の試合のメンタルの持ち方を教えてた。

勝ち続けるって、本当に大変なことだと私は思っている。自分がチャンピオンって位置に立つと、一番をキープしなければいけない。

トップを走り続けるって、誰も見えないところを走る不安もあるだろうし、後ろからヒタヒタ追ってくる足音が聞こえるわけでしょう。

でもその中で、楽しみを見つけたり、なんのためにやっているのか考えたりを、手帳を通じて選手に教えていたんだよね。そうすると、私と同じように全国大会へ出場する選手を、何人も輩出できるようになった。

「この考え方は、私だけでなくジュニア選手でも通用するものなんだ」ってわかったんだよね。

“自分はどう在りたいか?”を手帳に書かせて、そこから目を離させなかった。だから、教えた選手たちはどんどん夢を叶えていったんだ。

そのうち、選手のお父さんとかお母さんが「その手帳の使い方を教えてください」って言ってきたの。

例えば大人なら、ビジネスで達成するには、強いマインドやモチベーションの維持が欠かせない。

うまく行くときも行かない時も、自分を整えることが必要だもんね。それで「手帳術やスケジューリングを教えれば、皆の役に立つんだな」と思った。

そうして私はテニスコートを出て、45歳の頃セミナー講師として起業したんだ。

そこから3年間は自分ひとりで手帳術を教えて、全国を飛び回った。

その後2年は、私の志を理解してくれる手帳ナビゲーターを養成するようになって、北海道から広島まで手帳ナビゲーターがうまれたんだよね。

浅野夏悠、今後の展望

最終的には、学校や教育機関で「スケジューリング」という授業を入れるのが目標。

学生たちに勉強や受験のためだけでない、自分の人生を考えるスケジューリングを伝えていきたい。

学校でも、
・今自分はどんなことに興味を持っていて何をしたい?
・どんな自分になりたい?

と自分に聞いてあげる時間があれば「目標のために、○○を頑張れば良い」というのが分かるんじゃないかって思うんだよね。

そして、子どもだけではなく、60歳以上の人のための手帳術も考えているところ。

あとは、スケジューリング業界を作りたい!

目標を決める前に自分の在り方とか生き方を考える。それから目標を立て、リスケ、振り返りをしていく。

そういう意味では、日本スケジューリング協会を業界の第一人者にしたいな。

それが例えば、私の代で叶わなくても、後の世代にどんどん提案してもらいたいと思っている。

私はなにか作るのが好きだから、これからもどんどん思ったことを形にしていきたいなと思っているよ。

インタビュー・文/青石ぽろみ
写真提供/ご本人様より

浅野さん写真

浅野夏悠さんが代表を務める
日本スケジューリング協会HP
https://sche-jp.com/

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